開かれた都市の開かれた精神科病院として。

理事長メッセージ

神戸は古くから、世界に向けて開かれた都市でした。湊川病院はその神戸のほぼ中心に位置し、 地域に向けて開かれた市街地型の精神科病院として発展してきました。早くから病院の開放化に努め、 入院中心から外来中心の医療へ、さらには地域医療へと方向性を求めて、今日に至っています。

最近の取り組みのひとつとして、2002年の「リハビリテーション科」の創設が挙げられます。 従来個別に取り組まれていた作業療法室、デイケア室、心理室の活動を一本の線で結ぶことにより、 患者様の生活の質の向上に役立つリハビリテーションを、より計画的かつ効率的に行うことができるようになりました。

また、地域生活部 (地域支援科・在宅支援科) も創設しました。地域支援科では通所授産施設、 グループホーム等の整備を、在宅支援科では訪問看護、訪問介護、ケアプラン作成等、精神障害者、 ならびに高齢者の方々の地域生活のサポートを、それぞれ行っています。

なかでも2003年に開設した「就労移行支援事業 (創) C.A.C」では、 Challenge And Create (挑戦し、創造しよう) をモットーに、 精神障害をもつ方々の「生きがいの創出」をめざしての施設内での作業や関連事業所での実習、就労セミナーやSSTなど、 おひとりおひとりに合わせた就労支援プログラムを提供しており、病院との連携によるさらなる活用が期待されます。

今後の重要課題としては精神科急性期治療病棟を軸とした精神科救急医療の充実が挙げられます。 地域の要請に応えるべく、体制を整えているところです。

急性期を対象とする病棟(東病棟)は、個室を多く設け、早期退院に向けて個別性を重視した治療・看護を提供し、 急性症状の軽減と1日も早い社会復帰を目指してまいります。